NORAD
世界中のこどもたちが待ちに待ったクリスマスがもうすぐやってきますね。
NORAD ってご存知ですか?
North American Aerospace Defense Commandの略で、「ノーラッド」と読みます。
日本語に訳すと「北米航空宇宙防衛司令部」となるようで、アメリカ・コロラド州にあるPeterson Space Force Base(ピーターソン宇宙軍基地)の中に、そのHQ(司令部)が置かれています。
アメリカにあるものの、カナダと共同で運営されている防衛組織なんです。北米大陸へのミサイル攻撃や航空機からの脅威を2国で監視している、ガチの軍事防衛組織です。
なぜ「ガチ」と書いたかと言うと、世界でも名の知れた組織であるにもかかわらず、どこか軍事らしい厳格さが薄いからです。
と言うのもこの組織、毎年クリスマスイブになると、"NORAD Tracks Santa"というカウントダウンをWebで公開します。イブに『サンタが今そりに乗って出発したのを検知しました』と発表して、その後のサンタクロースの動きを軍が追跡するのです。どうですか?軍らしさが感じられないでしょう?
NORADによって初めてサンタの乗るそりが「検知された」のは今から70年前だそうです。特にインターネットが発達して、Web上で動きを「把握」できるようになった昨今、毎年こどものために面白いことをやってるなぁというイメージを僕も持っていました。ユーモアがあって、いかにもアメリカらしいなぁと。日本でもニュースになることがあるので、そういえば見たことあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかしなんとも面白い裏話を知りました。
1955年のクリスマスの頃、NORADのHQに男の子から電話が入りました。"Are you Santa Claus?"と聞かれ、最初はprank(いたずら)だろうと思って不機嫌に対応していた、米空軍のCol. Harry Shoup(ハリー・シャウプ大佐)。話しているうちに純粋にこどもの間違い電話であることに気づき、"Ho, ho, ho" とサンタになりきって相手をし始めたのが全ての始まりなのだそうです。たまたま番号を間違えただけだろうと思いきや、その後も同じような電話が何100件もこどもからかかってきます。
どうやら、『サンタと電話でお話をしてみよう』というデパートの広告に、誤ってこのHQの電話番号が掲載されてしまったそうです。ところが面白いのは、これを知ってデパート側に抗議するどころか、彼は部下たちにサンタのふりをして応対を続けるように指示したことです。さらには自らラジオ局に電話し、『空に謎の飛行物体発見。そりのようだ』と発表。それ以来、この出来事は毎年の恒例行事となったのです。
Shoup大佐の娘さんの、今は亡き父の当時の様子を語るインタビュー映像を観ましたが、なんとも父を誇らしげに話す姿が印象的でした。それもそのはず。こどもに夢を与える活動を始め、それが今も続いているのですから。厳格ないかにも軍人らしい父だったけれど、"He was a softy underneath."「(強面でも)内面はとても優しい人だった」と自慢げに語っていました。
それにしても忙しい本職の合間に、軍の人たちは毎年どうやって世界中にいる子供の対応をしているのだろうと思っていたのですが、なんと1200人ものボランティアが電話やEメールで応対をしていると言うではありませんか。さまざまな言語にも対応していて、この時期、世界中から電話やメールで質問などを寄せてくるこどもの数は10万人に達するというのです。まさか税金が使われているのでは?と思うかもしれませんが、いえいえ。スポンサーがついていて、税金はゼロなのです。
僕もこのボランティアやってみたいなぁ。
『何時にサンタは来るの?』住んでいる場所を言うとおおよその時間を教えてくれるものの、『寝ないと来ないよ?』と釘を刺されるそうです。なんと楽しそうで、まるで真剣に遊んでいるような、それでいて真面目なお仕事なのでしょう。みなさんもやってみたいと思いませんか?宗教に関係なく、街の飾り付けを眺めるだけで心が弾む季節ですよね。この裏話を知って、ボランティアをしている自分の姿を想像したら、さらに心が弾んできましたよ。
Happy Holidays everyone!
すでにWeb上でクリスマスイブに向けてのカウントダウンが始まってるのが見れます↓
Do check it out!
電話番号は 1-877-HI-NORAD(←ガチ、本物ですよ)
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