格段に上がる英語の感情表現

Happy Thursday! 英語に感情を入れてみませんか?どういうことかと言うと、
寺ピー 2025.05.29
誰でも

娘(7)をベッドに寝かせて布団をかけた時になんやらムニャムニャと言われました。

"Hmm, I am comfortable."「んー、気持ちいー」

Are you?(そう?)と言うと、またムニャムニャと今度は「・・・uncomfortable」と聞こえました。

What? Did you just say "uncomfortable"??
「は?いま寝心地悪いって言った??」

するとNoと。

"I'm not UNcomfortable."と言ったと、UNを強く発声。

ほー。そういうことが言えるのか。これは素直に驚きました。

二重否定なので要するにcomfortableなのです。いつの間にかunをcomfortableの前につけると逆の意味になることを知っている。たいしたもんです。ま、そんなまどろっこしい言い方は誰もしませんけどね。こんな表現知ってるよということを僕に伝えたかったのでしょう。

車に乗る際にも"Buckle up"と言ってシートベルトをさせているので、外すことを"unbuckle"というのも自然に覚えています。unを1つ教えるだけで、ボキャブラリーは無意識の内に増えています。おうち英語であれ、受験・資格勉強であれ、いろんな単語をセットにして覚えることは効率的で効果的、本当におすすめです。

"Are you comfy?"ってよく子供に聞くのですが、このcomfyはcomfortableの略式です。カジュアルで柔らかい言い方なので、子供と話す時には多用しています。フレンドリーな言い回しで大人もよく使います。別に幼稚な表現でもありません。

同じように"This sofa is so cushy."というと「このソファーすごいフカフカ」。cushion(クッション)から来てるのかな?最後にyをつけるとcomfy同様、柔らかい表現になります。言葉に動きが出るというのか、フワフワやフカフカという感触が想像しやすくなるのです。

ところが、日本で大人が時々口にするのを聞くことがある「美味しい」を意味する"yummy"。これは完全な幼児言葉です。使うのは幼稚園まででしょうか。大人が使うと冗談だと思われて1回くらいは笑ってくれるでしょうが、まじめに使い続けるとひかれます。日本語で表現すると「おいちい」みたいな感じで、大人が使うとイタイのです。

それならdeliciousなのか。例えば"This pasta is delicious."と学校で習うかもしれませんが、この単語は日常の会話ではあまり使われないのです。通じますが、堅すぎるというか。決して間違いではないです。ただただ堅いのです。堅い文を書くなら問題はありませんが、会話でこの単語を耳にすることは稀です。

では何と言うのが適切なのか。"This pasta is really good"がベタな表現だと思います。少し拍子抜けするのか「もっとちゃんとした言い方ないの?」なんて聞かれることも。いや、これがちゃんとしている表現です。なにやら難しい言葉で言うことが良いことだと受験勉強で洗脳されてしまっているのではないかと心配になります。

これは読者のYさんから伺った興味深い話しなんですが、「夜分遅くに失礼します」の英訳を調べたら"Hi"と出てきて拍子抜けしたと。おそらく"Sorry to bother you so late at night."レベルを想像されていたのだと思います。対話をしている人との関係性にもよりますが、"Hi"が短すぎると感じるのであれば、"I'm sorry it's so late."なんていかがでしょう。とても平易な言い方だと思います。

この日本文が敬語であるが故に堅い文章を考えがちだと思います。でも敬語とは言え、他人へ向けての丁寧な口調に過ぎないのです。取引先でクライアントと話しをしている訳ではないのですから、何もガチガチに堅い言葉にする必要はないのです。そういった意味では日本語の敬語というのは、ちょっと英語学習には邪魔だなと感じることがあります。日本人はどうしても直訳を心掛けてしまうからです。

特別な単語や難しい表現で感情を表す必要は全くないと思います。言葉を変えることなく感情を吹き込むことは簡単にできます。例えば"I LOVE this pasta!"なんて感情がこもっています。大文字のLOVEの箇所を「ラーーブ」と少し強調して言うのです。「めっちゃおいしい」「ちょーうまい」と同じになります。"This pasta is SO good!"とかも、SOを強調して発声するとそれだけで感情が入ります。日本語でも「超おいしい」と「ちょーーーおいしい」だと違いますよね。

ちょっとした単語を最後につけるだけで感情を吹き込むこともできます。

娘(11)は"This is the best pasta ever!"なんてよく言います。「今までの人生で一番おいしい」レベルの表現で、とても大げさな言い方のため少し笑いを誘うほどなんですが。でも本当に美味しいんだという感情がストレートに伝わります。アニメ映画かなんかで覚えたのでしょうが、状況描写から感情を読み取って表現を覚えるというのは映画やドラマというのは最適だと思います。本やテキストを黙々と読んでいても、どういう風にどこを強調して発声するのかなんてわからないですから。それが動画だと音声付きで感情が伝わり、脳に強い印象が残るため学んだ英語が忘れにくくなるのです。

日本の学校では英語の勉強となると、文章を読んで訳す作業が中心になってしまっているのが残念です。文法の間違いを探したり、黙々と文を見て訳す作業。感情を感じ取ることが難しく、英語の試験の得点が英会話のレベルと比例しない原因はこれだと思います。

学校で『日本史』か『世界史』を選択できるように、『英語』と『英会話』を選択できるようになったら面白いと思うんですよね。おしゃべりな子はすぐに英会話の力が伸びるでしょうし、黙々と文章を読むのが好きな人はいろんな作家の作品を楽しめば良いですし。休み時間のこの二つの科目の生徒たちの交流を想像してみて下さい。「へー、英会話ではそんな風に言ってるんだ」とか「文法はそうなってるんだぁ」とか。学校へ行く意味が実感できて、教室という場を生かすことができると思うんです。オンラインではない交流の場。言葉はコミュニケーションのツール。交流しないと生き生きとしてこないと思います。

Bring Words to Life. ぜひ「言葉に息吹を」。

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